2018年7月11日

愛媛県 アーケード街 20:00

ジャグリングをしていた2人の男性に声をかける。
1人は『コンタクトジャグリング』(物体を身体から動かさずに意のままに動かすジャグリング)を水晶玉のようなボールを使いながら行う。もう1人は『ディアボロ』(中国の回転ゴマ。2本のスティックに張った糸の上で駒を転がせる。)を用いて練習していた。

-あの、初めまして。僕、道で会った人とセッションして作品作っていて、よかったら10分ぐらいしてもらえませんか?

-10分は長いねぇ。

-では、5分くらいならどうでしょうか?

-うん、やろうか。
-ええよ。

-はい、お願いします!

音楽の再生開始と共に、飛び出してくるダンサーとジャグラー2人。

ジャグラーの2人はリラックスした表情でパフォーマンスを行う。音楽の何小節かずつ位置を前後左右にに入れ替えつつ、時折手を休めてお互いのパフォーマンスを見合う。その姿から、彼らが過ごしてきた時間を瞬間的に観測する。
ダンサーは床に寝そべってしばらくゆっくり動いた後、手の動きを先行させて手を泳がせるように踊る。ジャグラーの彼らの位置移動とは対照的に、ダンサーは画面の中心で動く。このことからも両者が空間でのパフォーマンスをどのような意図として読み取っているのかが窺える。ジャグラーの2人はチームワークで空間の位置どりを変化させ、一方でダンサーは空間移動よりも自身の身体運動に焦点を当てているため移動は少ない。
ジャグラーの2人が、カメラの画角に交互に出入りするのを見て、ダンサーも踊りを一時やめて歩き出す。そのことで彼自身の緊張もほぐれたのか、靴を片方ずつ脱ぎ音楽に合わせて放り投げる。3人は互いに意識し合いながらもそれぞれの行っていることに没頭する。
彼らの背後を何度か仕事帰り、買い物帰りの人々が通過する。

ディアボロを使う彼がカメラの前で高速で回転させにやりと笑う。背後の2人は傍に避ける。ディアボロを手で受け止めそのまま画角から去る。
次にダンサーが飛び込んでくる。床にいるままで音楽とシンクロするように踊り立ち上がってアーケードの壁にバンっと手を着く。
その手に合わせるようにジャグラーのもう1人が入ってくる。その手にはジャグリングボールを手に素早い手捌きで幾つものボールを宙で回転させながら横切っていく。

自転車を押した男性が通りかかり3人を見てにっこりと笑う。

後半になると、3人の空間の捉え方はより奥行きがあるものとなった。
3人はそれぞれの動きに反応し合い、互いの位置を交換していく。ダンサーはジャグリングの動きに影響を受け、ボールを操るような手の動きで踊る。ジャグラーたちは、身体を反ってボールを入れ替えたり、ディアボロを頭上で大きく振り子のようにしたりとダイナミックな動きに転じていく。

-ありがとうございました、5分です。

まだそれぞれのジャグリングを続けている2人。

-ありがとうございましたー。

-よく、お二人で練習されているんですか?

-そうですね。土日はよくやってますよ。あとは総合公園*とかよく行くかなぁ。(*近くにある大きな運動競技場)
-大会が近くて、その練習をしてるんですよ。

-へぇ、大会があるんですね!

-そうそう、これ。(携帯電話でtwitterの画面を表示して見せる。)
-結構エントリーがあるけんねー。

-あ、確かに、もうすぐですね。

-あ、そういえばまだ名前聞いてなかったね。

-黒田って言います!お二人は?

-このツイッターネームで活動しています。

-(エントリー名にはDJ⭐︎KOHYAとKENZIII🐬)DJこうやさんと、けんじさんですね!

-僕DJもやってるんよ。だからDJネームもこれなんよね。さっき流してた音楽も僕がミックスしたやつで。
-いっつも音楽は作ってくれよるけん、すごい助かっとんよ。

-ツイッターフォローしてもいいですか?後でメッセージで今日撮った動画送りますね。

-こういうんええなぁ、ありがとう。

-こちらこそです、ありがとうございました。それじゃ、おやすみなさい!

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