session: 2022年7月

阪急茨木市駅 Socio

名前も名乗らずにただ、セッションしませんか。と声を掛ける。

 いいっすよ。
-いつもここで練習してるんですか?
 時々してます、住んでるのは高槻なんで。
-練習はどのくらい?
 毎日やってます。
-まじか。

彼が音楽を鳴らし、ストレッチし、握手して僕から踊り始める。
静かにそれを見てうなずき、彼のターンが始まる。今夜のセッションはブレイクダンスのバトル形式だ。
高速で空中でスピンしながら着地して、すぐさま身体の天地を逆さまにする。
僕の顔の寸前を彼の足が舞い、据えられた目に気圧されそうになる。

セッション終わり。

-どっかチームに入ってたりするんですか?
「一撃」って知ってます?
-え、はい。(昔、お世話になった人がこのグループに所属していたと聞いたことがある)

その人の名前を出すと、「知ってますよ」と答えた。時々、一緒に練習をするらしい。
 あーそうなんですか。
-いつからブレイク始めたんですか?
 5才ですね。
-え。
 ユニバでブレイクダンスみて、それで親にやりたいって言って教室行ったらしいです。覚えてないんですけど。
-まって、やっと立ち上がって歩き出したくらいの年齢で、床に潜ったの?
 そうっすね、右も左もわかんなかったですけど。モータルコンバット(大阪拠点のブレイクダンスチーム)の人に教えてもらって、、

彼の口からはさまざまなブレイクチームの名前が出る。
(名前は聞いたことあるが、人の名前まではわからない。)

 あんまりブレイクのチームとか興味ないですか。
-Youtubeでレッドブルとかは見るんですけどね。
 あー、次からオリンピック競技になるっすからね。
-オリンピックに出たいとか思うんですか?
 出れるなら出たいっすね。けど、レベルが全然違う。強化選手育成とかあるし。
-あー合宿みたいな。

 腰痛めてて、今日は復帰1日目なんですよ。
-痛みは?
 ないです。
-いつも仕事終わったら練習してるんですか。
 そうですね。まだ18なんですけど、大学一年の年ですね。大学には行ってなくて。

-え、まじで!27くらいかと思ってた。

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