いつかを思い出して。

大阪 大学に隣接した大きな公園

ディアボロ(回転ごま)を回している男性。

-すみません、良ければ一緒にセッションしませんか?

-(手を止めて怪訝そうにこちらを見つめる)何の。

-さっきやってらっしゃったパフォーマンスを5分か10分ほど、あ、僕ダンサーなんですけどなんか一緒にー。
(相手が渋い顔をしたのを見て)あ、お時間がないですかね…..

-うーん。
(後退りながら)すいません。

-あ、はい。すみません、突然声かけてしまって、それじゃ


その後、大学構内を歩いていると教室の窓ガラスの前で踊っている女性を見つけた。
何周か同じ校舎をぐるぐると周り声をかけようか悩む。
このようにして思い出して文章を書いていると自分の性別が男性であることを意識せざるおえない。
「ナンパと何が違うのか?」その言葉が後頭部に響いては鈍く残る。

-僕、たまたま出会って人と即興で踊るっていうのやっててよければ一緒にやってもらえませんか?

-わたしよさこいなんですよね。
だから、ストリートとはちょっと違うんで難しいと思います。

-あ、ストリートダンスの人だけじゃなくて、
ジャグリングの人とかともやったりしてるんで、なんていうかジャンルはあんまり関係ないのですが…..

-いやぁ、

-あ、あんまり乗り気じゃない?

-そうですね

-あ、わかりました!すみませんでした……。

相手との合意、承諾がなされなかった時の居心地の悪さ。相互不理解。
その場から立ち去りたいと切実に思う、あの感じ。恥ずかしさと、視線、痛み、途端に意識される外側の環境。相手との出会いが失敗に終わった時、僕は本当の異端者(エイリアン)になるのではないか?

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